7月10日から、手書きの自筆遺言書を全国312か所の法務局・地方法務局で保管する「自筆証書遺言書保管制度」が開始されました。(日経新聞web・7月10日)
このブログでずいぶん以前にご紹介しましたが、遺言書には大きく①本人が書き残す自筆証書遺言と②公証人が関与して厳格な方式で作成する公正証書遺言の2種類があります。(2016年1月21日「自筆筆証書遺言と公正証書遺言」)
自筆証書遺言はなにより、1人で簡易に作成でき、費用もかからないことがメリットです。しかし、知らぬ間に誰かに改竄されたり、廃棄されたりしてしまうおそれがありましたし、そもそも遺言書が残されていることが知られずに、あるいは、知られていても発見されずに、遺言書が無視されるおそれもありました。
今回の保管制度により、改竄や廃棄のおそれはなくなり、また、遺族らが死亡時に法務局に遺言の有無を確認することにより、遺言書が発見されやすくなります。
保管されるのは、原本のほか、スキャナーで読み込んだ画像データです。死後、原本は50年、画像データは150年保存されるそうです。
遺言者本人しか申請できず、住所地や本籍地などを管轄する法務局に行く必要があります。
保管のための手数料は1件3900円。他方、閲覧の手数料は原本1700円、画像データ1400円です。
法務省のHPに詳細な説明がされています。「法務局における自筆証書遺言書保管制度について」
(浜島将周)