4月1日には、これまでにご紹介した民法(債権法、相続法)の改正法のほか、特別養子縁組についての改正法も施行されました。
「特別養子縁組」とは、未成年者養子縁組の特別類型で、さまざまな事情で家庭で育てられない子どもの健全な育成および福祉のために、その実親子関係を消滅させて、養親子関係に実親子関係と変わらないような安定したあるいは強固な法的地位を与えた制度です。
改正前の民法では、特別養子縁組が認められるための条件として、子どもの年齢が6歳未満(ただし、6歳未満から事実上養育していたと認められた場合は8歳未満)と制限されていました。
今回の改正法は、この子どもの年齢の上限を原則6歳未満から原則15歳未満にまで引き上げました。また、特別養子縁組の成立のための裁判(審判)手続を二段階に分けて合理化し、養親となる者の負担を軽減するなどの改正もされました。
児童養護施設等には、保護者がいないことや虐待を受けていることなどが原因で、多数の子どもが入所していますが、その中には、特別養子縁組を成立させることによって、家庭において養育することが適切な子どもも少なくないと指摘されています。このため、特別養子縁組の成立要件を緩和することによって、この制度を利用しやすいものとすることを目的とした改正です。
法務省作成の資料「民法等の一部を改正する法律の概要」および「特別養子縁組の制度が利用しやすくなります」もあわせてご参照ください。
(浜島将周)