今年7月21日に行われた参議院通常選挙に関する一人一票実現訴訟(いわゆる一票の格差訴訟)について、昨日、濵嶌も原告代理人を務めた名古屋高裁訴訟の判決がありました。(東海テレビ・11月7日、CBC NEWS・11月7日、中日新聞WEB・11月7日、日経新聞WEB・11月7日など)
名古屋高裁は、判決文の中で、「(平成30年改正までにしておかなければならないことになっていた)選挙制度の抜本的な改正には程遠い」といってはいますが、合区などにより最大較差を3.08倍まで縮めた2016年参院選から、埼玉県選挙区の定数増によりさらに3.00倍まで較差を縮小させた点を評価するなどし、「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態だったということはできない」として、憲法に違反しないとの合憲判断をしました。
原告側が指摘した憲法上の問題点に対しては、ことごとく、「選挙制度に関し国会に広い裁量権がある」ことを理由として退けています。国会に裁量権があるとのひとことで、憲法違反が憲法違反でなくなるというのは、説明になっていないと考えます。
まったく評価できない判決だと考え、即日、上告しました。
今回の名古屋高裁判決は、私たち弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に一斉提訴したうちの11番目の判決でした。全14高裁判決をまとめていずれ出される最高裁の判断にも、是非ご注目ください。(浜島将周)