濵嶌が遺言執行者を務めたとある相続について、取材を受けました。中日新聞の3回にわたる特集「『親亡き後』の前に 苦悩する障害者の家族」 「(上)老いへの不安」・8月7日朝刊、「(中)息子を施設に託す」・8月8日朝刊、「(下)人とつながり不安解消」・8月9日朝刊のうち、(中)で取り上げられています。
親亡き後の障害者のサポートを、誰がどのように担うか、制度の不十分さと親御さんの苦悩がレポートされていますので、特集全体をご覧いただければと思います。
さて、「遺言執行者」とは、遺言の内容を実現することを任務とする者をいいます。
遺言が執行されるときは、すなわち遺言者が亡くなったときですから、当たり前ですが、遺言の内容を遺言者が自ら実現させることはできません。
そうなると、通常は相続人らご遺族が遺言の内容を実現させるための手続をすることになりますが、法務局に対する登記申請手続、各金融機関に対する解約手続や株券等の名義書換手続などの度に、相続人全員に連絡して、署名・押印を集めるのも大変です。また、遺言で、認知がされたり、特定の推定相続人の廃除がされたりすることもありますが、法的知識が十分でない者がこれらの対応をすることも困難です。
この点、遺言執行者が選任されていれば、遺言執行者単独で相続手続を行うことができますので、登記申請手続などをスムーズに進められます。遺言執行者にはご家族やご友人を指定することもできますが、弁護士などの専門家を指定しておけば、より安全・円滑に進められるでしょう。
遺言執行者を指定する方法は、
・遺言書で特定の遺言執行者を指名する
・遺言書で遺言執行者の選任者を指名する
・家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てる
の3つがあります。
遺言書を作成する際に、その遺言書作成にかかわった専門家を遺言執行者に指定しておけば、その遺言書に込められた思いも理解していますから、遺言の内容がより適切に実現されると思います。
今回、中日新聞で取り上げられた案件は、自分の死後も、重度の障害を抱えたお子さんに対する愛情を届け続けたいという母親の思いが込められた遺言書の作成と、それを実現するための遺言執行でした。
あなたの最後の意思(遺志)を適切に実現するために、ぜひ当事務所にご相談ください。(浜島将周)