昨日5月23日、愛知県が費用を一部負担し、2026年の完成を目指して建設工事が進められている豊川水系の設楽(したら)ダムについて、愛知県知事らに事業からの撤退を求める訴訟を名古屋地方裁判所に提起しました。(NHK名古屋・5月23日、東海テレビ・5月23日、日経新聞Web・5月24日、中日新聞Web・5月24日)
濵嶌も市民ら原告側の弁護団に加わっています。
設楽ダムの建設(公金支出)差止めを求める第一次訴訟については、2007年に提訴していましたが、「計画が著しく合理性を欠くとはいえない」として棄却され、2014年に敗訴が確定していました。
今回の第二次訴訟は、豊川流域(東三河地域)の水道用水の需要量について、計画段階では2015年に1日あたり33万㎥と想定されていましたが、実際には約2割も下回る27万㎥にとどまっているため、ダムなしでも水道用水は十分に足りており、建設の必要性はない、と訴えるものです。
請求の趣旨は、
1 被告愛知県知事が設楽ダムの水道用水に係るダム使用権の設定申請の取下げをしないことが違法であることを確認する。
2 被告愛知県公営企業管理者企業庁長は、設楽ダム建設費用負担金のうちの水道用水に係る負担金の支出をしてはならない。
となっています。
私たちは、第一次訴訟の際にすでに、需要量想定が過大で、設楽ダム建設はムダな公共事業の典型だ、と訴えていました。果たせるかな、2015年の需要量想定が過大だったことがはっきりしました。
人口減少社会を迎え、節水技術も進み、今後ますます水余りは進んでいきます。他方で、限られた予算の中で、老朽化した水道設備を更新していかなければなりません。また、ダム建設による自然破壊も無視できません。愛知県の英断を求めます。
なお、設楽ダム訴訟にかかる資料は順次、「設楽ダムの建設中止を求める会」のウェブサイトにアップされていきます。関心のある方はお立ち寄りください。(浜島将周)