緑オリーブ法律事務所ブログ

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 3月4日の愛知県弁護士会シンポジウム「歴史への説明責任―あるべき情報公開と公文書管理を考える」のご報告をせずにおりました。
 ここのところずっと自衛隊PKO日報問題、森友学園問題、加計学園問題と、あるはずの文書がなかったり、それが見つかったり、ついには改竄されていたりと、公文書管理の杜撰さがクローズアップされています。
 これは、小さな政府か大きな政府かとか、集団的自衛権行使を認めるか否かとか、政治スタンスの問題をさておいて、与野党共通して危機意識を持たなければならない問題です。


 3月4日のシンポジウムで、講師の瀬畑 源・長野県短期大学准教授は、おおよそ以下のようなお話をされました。


 権力を握る者は、他の政治勢力より優位に立つため、情報を独占しようとする。自分たちにとって有用か否かを判断基準として、文書を残すか決めてきたという歴史がある。恣意的に残す文書が選ばれてしまえば、後からの検証は不可能であり、説明責任は果たされない。


 2001年の情報公開法施行後は、官僚の「私的メモ」「未完成」という情報公開逃れが横行した。
 そうした中、2011年に公文書管理法が施行されたが、組織共用性を狭義に解釈することで、行政文書該当性を否定したりなど、問題は解消されていない。政策決定過程がわかる文書を作成する義務(公文書管理法4条)が相変わらず果たされていないことも問題である。 


 国民は、情報公開請求を活用して、権力者による情報の独占に対抗しなければならない。国民に正しく情報が供給され、政策決定のプロセスが可視化されることではじめて、民主主義は機能する。


 歴史の検証のためには、重要な文書を管理する仕組みとそれを公開する仕組みの両方を充実させることが必要不可欠である。(浜島将周)

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