緑オリーブ法律事務所ブログ

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非正規労働者が5年を超えて勤務すると無期で働けるようになる,いわゆる「無期転換ルール」をご存じですか。
このルールは2013年4月施行の改正労働契約法で定められました。
施行日以降に締結・更新された有期労働契約から適用されますので,
たとえば契約期間が1年以下の労働契約を毎年更新したケースですと,
2018年4月以降に無期労働契約への転換申込みが可能になるため,
「2018年問題」などと呼ばれています。

無期転換ができるかどうかの要件や制度については
厚労省ホームページにわかりやすいパンフレットが掲載されていますのでぜひご覧ください。
http://muki.mhlw.go.jp/

無期転換の申込みのタイミングは,
通算5年を超えることとなる有期契約の期間中に(期間の初日から満了する日までの間に)することが必要です。
申込みをすると,使用者は申込みを承諾したものとみなされて断ることができず,
その時点で無期契約が成立します。
成立した無期契約は,期間の点を除いて,それまでの有期契約と同じ労働条件となります。

近年,このルールの適用を免れようとして,更新は5年までという上限をつける契約が増えて問題化しています。
厚労省は,無期転換を避けることを目的として無期転換申込権発生前に雇止めをすることは,
改正法の趣旨に照らして望ましくないとしています(国会答弁,2016.9.28通達)。
問題のケースを把握した場合は各地の労働局で積極的に啓発指導をするそうです。

特に,国立大学職員の雇止めが大量に発生するおそれがあるので,
文科省は,各国立大学に対し,無期転換ルールの周知と対応を早急に進めるよう通知しました(2016.12.26.)。

有期契約をしているが自分は対象になるのか,
5年を超えて更新しない,などと不当な雇止めにあった,
更新上限が入った契約書に署名させられたので不安,
辞めるつもりはないのに退職を強要された…
そのような場合はぜひご相談ください。

(横地明美)

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