緑オリーブ法律事務所ブログ

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敷金返還のトラブルについて
2017-04-06 · by blogid · in 民事事件,

引っ越しシーズンですね。
賃貸物件を借りる際に支払った敷金は,契約が終了し退去した後で,未払賃料があれば充当され,
残額があれば借り主から貸し主に返還請求ができます。
このとき,貸し主から「リフォーム代」などが差し引かれ,金額をめぐってトラブルになる場合があります。

借り主がそもそも何を負担しなければならないかについて,
国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を出していますので参考になります。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
それによると,借り主には「原状回復」といって,居住,使用により発生した建物価値の減少のうち,
借り主の故意や過失,善管注意義務違反,その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧する義務があります。
しかし,いわゆる経年変化・通常の使用による損耗等の修繕費用は賃料に含まれる,とされています。
つまり,借りた時の状態に戻すための費用までは負担する義務はないということになります。

なお,契約書上,賃借人に特別の負担を課す内容の特約をつけている場合があります。
特約の効力についてはケースバイケースで有効性を判断することになります。

敷金返還請求は,60万円以下ならば簡易裁判所での少額訴訟を検討してもよいかと思います。
書式↓(裁判所ホームページ)
http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_minzisosyou/syosiki_02_04/index.html

話し合いがスムーズにいかない,負担内容や金額が妥当なのか知りたいなど,お困りの場合はご相談ください。

(橫地明美)


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