10月8日及び9日に兵庫県宝塚市で行われた「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムに参加してきました。
シンポジウム前日に行われた関係者会議から出席していたため、3日間の長丁場でしたが、各自治体や研究者、子どもの救済機関である公的オンブズマン(私もこの立場です)から、多くの事例やそれぞれの取組を聞くことができました。自分達の活動を振り返りつつ、これからの活動のエネルギーをいただきました。
全体会では、ずっと見たいと思っていたドキュメンタリー映画「さとにきたらええやん」の舞台であるNPO法人「こどもの里」の荘保共子さんのお話を聞けたことも大きな収穫でした。
また、貧困と貧乏は違う、貧困は孤立等困っている状態であること、という言葉が、これまでのもやもやした気持ちを整理してくれました。
貧困の中にいる子ども達に会うと、その家庭の「文化」として受け継がれている、私たちから見るととんでもないこと(離乳食を食べさせない、虫歯の治療をしない等)や、知らないが故の誤った選択(進学や進路、お金の使い方、バイトの選び方等)を見ることがしばしばありますが、これらは「貧乏」ではなく「貧困」の問題であり、そのような状況に陥らないための支援(お金の問題だけではなく)が、貧困の連鎖を断ち切るためにも必要なのだと改めて感じました。
分科会では、虐待の部会もありましたが、せっかくの自治体シンポですので、弁護士業務では研修・研究の機会が少ない子ども条例の分科会に参加しました。各自治体さんの悩みを聞きながら、弁護士業務が自治体の施策の隙間を埋めていることを実感しつつ、それを政策的に実現していくために何ができるかを考える機会になりました。
ちなみに、シンポの会場は、私が学生時代に住んでいた町の近くでした。学生時代を思い出し、あのとき考えていた大人になれているだろうか、と自分自身を振り返る旅にもなりました。
準備をしていただいたみなさん、ありがとうございました。
(間宮静香)