雇用主が従うべき厚労省の指針では,性的言動(セクハラ)に対する相談窓口の設置等の対応が法的義務とされています。
いわゆるLGBT(性的少数者)について性的からかいや差別的な言動をとることは,現在の指針上もセクハラとなりますが,今回,指針の改定によって,セクハラにあたることが明文化されることになりました(2017年1月施行)。
また,いわゆるマタハラ相談について,雇用主は,セクハラ相談の窓口で,ワンストップで受け付ける体制を整えるべきとされました。
セクハラもマタハラも,労働者の方の性的な側面にかかわるという意味では関連する問題ですので,今回の指針改定は,性別や,妊娠・出産・育児にかかわらず働きやすい職場を実現するルールづくりとして,望ましい方向だと思います。
職場で性的言動があった場合,まずは雇用主に指針で求められている対応(研修等による予防,相談窓口設置,調査や処分などの事後対応)を求めて下さい。
対応に不備があったり不十分な場合は,さらに指針上の対応を求めたり法的責任の追及について検討することもできますので,ご相談頂ければと思います。
(橫地明美)