緑オリーブ法律事務所ブログ

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宮澤・レーン事件」とは、太平洋戦争時、北海道帝国大学(現 北海道大学)予科の英語教師ハロルド・メシー・レーン、同英語教師ポーリン・ローランド・システア・レーン夫妻と、その教え子の北大生 宮澤弘幸さんらが「軍機保護法」違反で逮捕され、有罪とされた冤罪事件です。

1941年12月8日、宮澤さんは、太平洋戦争の開戦をラジオで知ると、アメリカ人であるレーン夫妻宅に駆け付けました。
その際、宮澤さんは「旅行途中で偶然眼にした根室第一飛行場のことをレーン夫妻に話した」疑いで、レーン夫妻は「その話を駐日アメリカ大使館駐在武官に伝えた」疑いで、事前に張り込んでいた特高警察により、敵国スパイとして逮捕されました。
宮澤さんは、札幌警察署などで、逆さ吊り拷問を受けて取り調べられたといいます。

札幌地裁は、「軍機保護法」違反の罪に当たるとして、宮澤さんとハロルドさんに懲役15年、ポーリンさんに懲役12年の有罪判決を下し、大審院も、いずれの上告も棄却しました。
逮捕から最終的な上告棄却まで半年足らずという、考えられないほどのスピード判決です。

実は、問題となった根室第一飛行場の存在は、太平洋横断飛行のリンドバーグ大佐が飛来した飛行場として事件前に報道されており、公知の事実でしたから、保護しなければならないような「軍機」=軍事機密とは言いがたい情報だったにもかかわらず、軍事機密だと認定されました。
また、北大が学生を勤労奉仕として送り込んだ樺太の工事隊に宮澤さんが参加していたことも、大日本帝国の軍事機密の探知だと認定されました。

宮澤さんは、網走刑務所などで服役し、栄養失調と結核を患いました。
服役中も、「非国民」として激しい拷問を受けたといいます。
終戦後の1945年10月にようやく釈放されたものの、それから1年半も経たずに亡くなりました(27歳没)。
レーン夫妻は、1943年9月に帰米し、終戦後の1951年に北大に復帰し、お二人とも札幌で亡くなりました。

詳細は、「北大生・宮澤弘幸「スパイ冤罪事件」の真相を広める会」HPなどをご覧ください。




さて、濵嶌が事務局長を務める「秘密保全法に反対する愛知の会」は、この「宮澤・レーン事件」の真相を広めるDVDの上映会を行います。
是非ご参加ください。(浜島将周)

 

DVD上映会「レーン・宮沢事件」&講演会「戦争する国の人権弾圧」
こんな時代はごめんだ
―共謀罪・盗聴法・マイナンバー制度 そして 緊急事態条項―

日 時 2016年3月15日(火) 18:30~20:45
場 所 名古屋YWCA ビッグスペース
名古屋市中区新栄町2-3(地下鉄「栄」東5番出口東へ)

上映会 「レーン・宮澤事件」
知られざる日本の歴史的事件を掘り起こした衝撃作
秘密保護法制定=軍機保護法復活の今こそ観てほしいドキュメンタリー映画

講演会 「戦争する国の人権弾圧」
講 師 中川匡亮さん(弁護士・秘密保全法に反対する愛知の会事務局次長)

参加費 500円
主 催 秘密保全法に反対する愛知の会
チラシはこちら

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