緑オリーブ法律事務所ブログ

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債務整理のご相談・ご依頼で、自己破産せざるを得ないとなった場合にときどき、「親友Aさんからの借金だけは返しておきたい」とか「息子が連帯保証人になっているB銀行にだけは返済したい」とかおっしゃる方がいます。あるいは、なけなしの手持ちや他からの借入で、AさんやB銀行への返済だけを済ませてから、ご相談にいらっしゃる方がいます。
「迷惑は掛けられない」というお気持ちは分かりますが、これをしてしまうのは大問題です。

破産法の大原則として、一人の債務者に複数の債権者が存在するときには、債権発生の原因や時期の前後などにかかわらず、すべての債権者は債務者の全財産から平等に弁済を受けることができる、という<債権者平等の原則>があります。
銀行であれサラ金であれ、親戚であれ友人であれ、債権者であることに変わりありません。自己破産するとなれば、みな迷惑を被ります。
返すなら全員に返す。返せないなら全員に返さない。」が鉄則です。

にもかかわらず、首が回らない状況で、例えば親友Aさんにだけ返済してから、自己破産の手続に入ったら、どうなるでしょうか。

まず、Aさんについては、破産管財人から、そのAさんに対して、「返済されたお金を全額、管財人に戻しなさい」という請求がされます。そして、Aさんから戻されたお金を、あらためて平等に債権者全員に配当します。
一度受け取ったお金を戻さなければならないのですから、Aさんには迷惑な話です。

また、債務者については、免責されないことがあります(破産法252条1項3号)。
つまり、首が回らなくなって自己破産の手続に入ったのに、債務の支払義務は残り続ける、という結果になってしまいかねないのです。
(「免責」や「免責不許可事由」については、またあらためてご説明します。)

自己破産するとなったら、親友Aさんや連帯保証人の息子さんには、潔く謝まるほかないのです。(浜島将周)

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