半田市議会が政務活動費(旧 政務調査費)の〝復活〟を計画しているそうです。(
中日新聞・2月22日朝刊)
「
政務活動費」とは、このブログでも何度か取り上げましたが、「議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として」交付される費用(地方自治法100条14項)のことです。
〝復活〟させるというのは、半田市議会は以前、政務調査費を廃止したからです。
10年前、10人を超える半田市議会議員が、札幌市で行われた都市問題会議に政務調査費を使用して出席した際、途中で抜け出して、富良野のラベンダー畑を観光していた、という事件がきっかけでした。政務調査費という公金を使って、会議出席の名目で観光していたというのですから、現在公判中の元兵庫県議の事件と本質的には変わりません。
それを今回、政務活動費の交付ができるよう条例化し、議員一人あたり年間15万円を予算化しようというわけです。
政務活動費については、地方自治法上、「交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない」とされています。
再条例化にあたり、半田市議会は、使途を限定する、後払い制にする、情報公開を義務付けるなどの対策を取るようです。(
半田市議会政務活動費の交付に関する条例(案)、
半田市議会政務活動費の交付に関する規則(案)、
項目別支給基準)
私は、各議会の判断で、政務活動費の交付すること自体には反対しません。議員が真面目に「調査」「研究」等の議員活動をして、市政県政に役立て反映させようとすれば、それだけ経費も掛かります。そのような経費を持ち出し(議員の個人負担)とすれば、一生懸命な議員ほど経済的負担が増えるという不合理な結果になりかねません。経費分の交付を受けられることには、十分な意義があると思います。
ただ、それが公金であることを忘れてはいけません。政務活動費の使用状況について、説明責任が果たされなければならないはずです。
使途や金額について情報公開を徹底することが、その説明責任の第一歩です(新聞記事の、『インターネットでの市議会政務活動費の公開状況』の表は興味深いです。)。ブラックボックス化させるから、やましい使い方がされ、〝第二の給与〟などと揶揄されるのです。「市政県政に役立て反映させるための調査・研究の費用です」と胸を張って説明できるものなら、政務活動費としての支出に、市民も納得するのではないでしょうか。(浜島将周)