遺言書さえあれば,争いは防げる?
2015-04-14 · by blogid · in
遺言・相続・後見・高齢者,
遺言書を作成する目的として,一般的には,相続人間の紛争を事前に防ぐことや遺言者の意思により財産を特定の者に承継させることが挙げられます。
確かに,遺言書を作成することにより相続人間の紛争の拡大や長期化に一定の歯止めをかけることができますが,相続人間の争いをすべて防げるわけではありません。
遺言書をめぐって,新たな紛争が生じてしまうこともあります。たとえば,遺言書が偽造である,遺言者が遺言書を作成した時点では既に認知症にかかっていたはずだ,といった遺言書の効力(有効か無効か)をめぐる争いから,一部の相続人の遺留分を侵害しているという遺言内容に関わる争いもあります(遺留分制度とは,相続の場合に,被相続人が相続人のために必ず相続財産の一定部分を何らかの方法で保障する制度をいいます)。
せっかく遺言書を作成するのであれば,相続人間に紛争が起こらないようにできる限り配慮したいところです。作成される際には,一度,弁護士にご相談されることをお勧めします。(亀井千恵子)