緑オリーブ法律事務所ブログ

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薬局に行けば簡単に薬を買うことができます。今では、医師が処方する薬と同成分の薬も簡単に購入することができます。一見便利に思えますが、実は、ドラッグストアで簡単に手に入る医薬品にも、副作用があります。以前、十二指腸潰瘍の患者さんが、一般に薬局で売っているいわゆる「痛み止め」を服用したところ、十二指腸に穴が開いてしまったという案件を担当したことがありました。このように気軽に手に入る薬で、思ってもみない結果が生じる場合もあるのです。

 

では、万が一、薬の使用で入院や障害が遺るような副作用が生じた場合には、どのような補償があるのでしょうか。

 

そのような場合には、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作用被害救済制度を利用することにより、一定の金額の補償を得ることができます。

例えば、入院を必要とする疾病については、副作用に関して支払った医療費と、入院期間中の医療手当(月額3万5000円前後)が支払われます。

また、副作用によって寝たきり等の重い障害がのこった場合には、その障害の程度に応じた障害年金(1級で年額約267万円)を、患者さんが18歳未満の場合は、障害児養育年金(1級で年額約83万円)を受け取ることができます。

その他、生計維持者が死亡した場合は、遺族年金(年額約233万円、10年間の支払い)、生計維持者以外の方の死亡の場合は、遺族一時金(約700万円)、死亡した方の葬祭料(約20万円)の支払いを受けることができます。

ただし、がんその他の特殊な病気に使用されることが目的になっている医薬品や、医薬品の使用目的・方法が適正でなかった場合(添付文書に反する使用方法等)は、支払いの対象になりません。

副作用で入院された方や重い障害を受けられた方は、医薬品副作用救済制度のご利用をご検討ください。申請はご自分でもできますし、当事務所で行うことも可能です。お気軽にご相談ください。(間宮静香)

※文中の金額は平成26年4月1日現在のものです。年度により金額は異なります。

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