緑オリーブ法律事務所ブログ

緑オリーブ法律事務所ブログ

先日、プライベートで不登校に関する話を聞きました。子どもが不登校になり、どうやったら学校に行けるかと親が悩んでいるという話でした。

 

私が弁護士登録した11年前、私の尊敬する師匠のような存在でもあり、仲間でもある某弁護士が学校に無理して行く必要はないとおっしゃっていました。
尊敬する弁護士の言葉ではありましたが、私も学校をサボることはあっても、不登校をすることはなく育ちましたので「果たして本当に自分の子どもが『学校に行かない』と言ったとき、応援してあげられるのだろうか?」「心から応援できないよね」と夫と話をした記憶があります。子が自分が育ってきた環境から外れてしまうことは、親にとって不安がとても強いことです。

 

しかし、あれから10年以上、いじめや虐待等の子どもの事件と関わってきて思うのは、子どもが「学校に行かない」と決意したら、「いいよ」と心の底から答えるだろう、ということです。実際、自分の子どもにも「『面倒くさいから行かない』はダメ。でも、どうしても行きたくない理由があれば、ママは学校に行かなくてもいいと思っている。学校があなたのすべてではないよ」と小学校1年生からずっと伝えています。

 

そもそも、学校は「行かなくてはならない」ところではありません。憲法でも「教育を受ける権利」は規定されていますが、子どもが「教育を受ける義務」は規定されていません。
ちなみに、義務教育の「義務」は子どもの学ぶ権利を保障する大人の義務です。義務教育制度は、保護者の経済力等によって差別されることなく子どもに教育の機会を保障したものであって、子どもには「学校へ行く義務」はないのです。

 

教育は子どものためにあるべきものです。そもそも、学校教育がすべての子どもに合うはずがないですよね。
自分の能力とかけ離れた集団教育になじめず、劣等感を幼い頃から植え付けられ、自己肯定感(自尊感情)を低下させ、他人も大切にすることができなくなり非行に走る子、いじめられても学校に行かなくてはいけないと極限まで頑張り、重い心的外傷を受けてしまった子、子どもがうつ病等になってしまい「もっと早く休ませれば良かった」と泣くご両親・・・「学校は行かなければならない」ことにこだわったが故に苦しむ人たちにたくさん会ってきました。
学校でなくても学ぶことはできます。学校教育に合わないのであれば、フリースクール等合う方法を探せば良いのです。家で学ぶホームエデュケーションだっていいのです(親は大変ですけれど・・・。)
愛知県弁護士会が学校で行っている「いじめ予防出張授業」でも、「学校を休むことはあなたの権利」と伝えています。学校は命をかけて行くところではないのです。

 

なお、件の某弁護士が「不登校新聞」という新聞の代表理事をしています。不登校で悩まれる方は、一度読んでいただくとよいかもしれません。不登校も引きこもりも前向きな行動だと感じることができると思います。(間宮静香)

  • <
  • 1
  • >