兵庫県が自転車の所有者に保険加入を義務付ける方針だとの報道がありました。(
中日新聞・11月13日朝刊)
来年にも、全国で初めての自転車保険義務付け条例が成立しそうです。
自転車でも、相当のスピードが出たりしますから、ときに人に大ケガさせるような事故を起こします。死亡事故だって起こしかねません。
そうなれば当然、加害者が被害者に対して負担する損害賠償額も大きくなります。被害が変わらないのに、同じ交通事故でも自転車事故ならば自動車事故よりも損害賠償額が小さくてすむ、なんてことはありません。
兵庫県でも、自転車に乗って坂道を下っていた小学生の男児が、歩いていた女性と正面衝突し、女性が寝たきりとなってしまった事故があり、裁判では、男児の保護者に対し、1億円近い損害賠償が命じられました。
(なお、この裁判では、加害者が小学生で、加害者自身には資力がないため、保護者の責任が問えるかも問題となりました。判決は、保護者の監督責任を認めました。)
このように自動車と変わらないような重大事故を起こす場合もあるのだから、自動車と同様に保険加入を強制しようというのは、被害者にも加害者にもメリットがあると思います。
なお、実は、すでにみなさんは自転車保険に入っている可能性があります。
日常生活の事故により、他人にケガさせたり他人の物を壊したりして損害賠償責任を負った場合に、保険金が支払われる「個人賠償責任補償特約」と呼ばれる補償が、火災保険や自動車保険に付いていることが多いからです。契約者のみならず家族全員の事故が補償の対象となるのが一般的です。
この機会に、みなさんの入っている火災保険、自動車保険等にこの特約が付いていないか、確認してみてはいかがでしょうか。(浜島将周)