2013年の参議院通常選挙に関する
一人一票実現訴訟(いわゆる
一票の格差訴訟)について、10月29日、最高裁で弁論が開かれました。(
産経新聞WEB版・10月29日)
この訴訟には、濵嶌も愛知県・岐阜県・三重県の各選挙区(名古屋高裁)の原告代理人となっています。
同選挙については、弁護士グループで全国14高裁・高裁支部に一斉提訴していましたが、広島高裁岡山支部が参院選では初めて「違憲で選挙無効」と判断し、東京高裁・大阪両高裁が「違憲だが有効」、名古屋高裁を含む残る高裁・高裁支部が「違憲状態」としていて、「合憲」判断は0でした。(名古屋高裁判決については
こちら)
同選挙の北海道選挙区(議員定数4)の当日有権者数は4,598,957人、鳥取県選挙区(議員定数2)は482,192人。その一票の格差は4.77倍。鳥取県の有権者がちゃんとした1票を持っていたとすると、北海道の有権者は0.21票しか持っていなかったことになります。
これではあまりに不平等。国民が正当に選挙した議員によって国政が運営されているとはいえません。限りなく格差0、一人一票が実現されなければなりません。
なお、一人一票の実現については、都市部の議員定数増加、地方の議員定数削減につながり、地方の軽視だとの批判があります。
しかし、参議院では、上記のとおり、実は現状一番軽視されているのは「地方」のひとつである北海道です。
また、国政で検討すべき事項は都市部と地方の格差問題ばかりではありませんから、その観点だけで議員定数を決めるのもおかしな話です。
そもそも国会議員は、どこの選挙区から選出されても、「全国民の代表」として、都市部と地方の格差問題を含む諸課題について、誠実に取り組まなければなりません。
地方の軽視だとの批判は当たらないというべきです。
最高裁の判決は、年内にも出されるものと思われます。
衆議院についても参議院についても、何度も裁判所から〝警告〟を出され続けているのに、国会での議員定数是正の取組みは遅々として進んでいません。各党の利害がからんで議論が紛糾しがちだとしても、この最優先課題が放置され続けてよいはずがありません。
最高裁が国会に対し、明確な「違憲無効」判断=レッドカードを突き付けることを期待しています。(浜島将周)