緑オリーブ法律事務所ブログ

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「包括外部監査」をご存じでしょうか?
自治体による不正な公金の支出が問題となったことを受けて、地方自治法が改正されて、平成11年から、地方公共団体(都道府県、政令市、中核市の全部と、条例によって実施を決めた地方公共団体)が、最少の経費で最大の効果、組織および運営の合理化を達成するため、弁護士・公認会計士等の外部の専門家の監査を受けることとなりました。
その包括外部監査の結果に関する報告(包括外部監査報告書)が、毎年度末、監査人から全実施自治体(2013年度は121自治体)に対して提出されます。

全国市民オンブズマン連絡会議では、所属する弁護士、公認会計士らが包括外部監査評価班を結成し、全自治体の報告書を〝評価〟してきました。その結果を、毎年、『包括外部監査の通信簿』として発行しています。
市民オンブズマンがこのような取組を始めたのは、報告書のレベルの向上、その結果として包括外部監査制度がより有効に活かされることを願ってのことです。実際、この『通信簿』は、監査人のみなさんや各自治体の職員のみなさんに手にとっていただき、報告書についての評価のひとつとして参考にしていただいているようで、包括外部監査制度の質の向上に寄与しているものと自負しています。

濵嶌は、弁護士1年目から、この包括外部監査評価班のメンバーとなり、『通信簿』の作成にかかわってきました。
十数人の評価班メンバーで、100を超える報告書(1報告書あたり100~500頁)を読んで、検討して、議論して、評価する…というのは(一次評価は分担するとはいえ)、大変な作業です。毎年5~7月は、これに忙殺されます。今年は全国に散らばるメンバーが集まっての合宿が4度行われました。

さて、その『通信簿』の2014年度版が、本日9月6日に発行されました。
今回、最も高く評価させていただいたのは、京都市の報告書(2013年度監査人:田中裕二税理士、テーマ:「歳入免除等の財務事務等の執行について(債権管理・資金助成事務を含む)」)でした。
評価の概要については、こちらをご覧ください。新聞でも、一部紹介されました。(日本経済新聞WEB版・9月4日
また、気になる報告書があれば、是非読んでみてください。各自治体とも、HPから簡単にダウンロードできるようにしてくれています。
通信簿を購入したいという方(ありがとうございます!)は、こちらをご利用ください。

綿密な監査がなされ、質の高い報告書が作成され、それを自治体が真摯に受け止めてよりよい行政がなされるよう、オンブズマンだけでなく広く市民のみなさんが目を光らせていただけたらと思います。(浜島将周)

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