改正後は、総合職の労働者を昇進、職種変更する際に、合理的理由なく転勤要件を設けることが明示的に禁止されました(間接差別の範囲拡大)。
また、コース 等による雇用管理にあたっての留意事項が、通達から告示(指針)に格上げされました。
さらに、事業主がとるべき職場でのセクハラ対策の「指針」がよりわかりやすくなり、次のことが明示されました。
① これまでも対象外だったわけではありませんが、同性間でもセクハラが発生することについて、あらためて注意を喚起しています。
② 職場で慣行化していることや、無意識でとっている言動がセクハラの温床になる場合があります。背景に、性別による役割分担意識(女性だから~、男性だから~という考え方)があると考えられるので、雇用主はセクハラ対策の一環として、まずこのような意識に基づく言動を職場からなくすことが求められま す。
③ セクハラは、日々長時間を過ごす職場で、一定期間続く人間関係のなかで起こります。一時的にやり過ごせば済むとも限らず、繰り返されたりエスカレートす る場合も多いので、放置すれば被害を受けた労働者の働く環境はどんどん悪くなります。また、上記②のような職場風土ではセクハラが起きやすいといえますので、雇用主としては、発生前や早期に、また軽微な段階で被害を防ぐため、セクハラに当たるか微妙な場合や発生するおそれがあるという段階でも広く相談に対応することが求められます。
④ セクハラ発生後、雇用主は適切な対応が求められますが、被害者が被った労働条件面の不利益の回復や、メンタルヘルス不調について管理監督者や産業保健スタッフによる相談を行うなどの具体的対応が示されました。
(橫地明美)
厚生労働省 ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/gaiyou_4.pdf
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/140128_1_5.pdf