緑オリーブ法律事務所ブログ

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7月15日、16日の両日にわたって、国連の自由権規約委員会による第6回日本政府報告書審査がジュネーブで行われ、この審査を受けて7月24日に、総括所見が公表されました。
死刑、代用監獄、ヘイトスピーチ、慰安婦、福島原発事故などなど多岐に亘る問題が取り上げられましたが、秘密保護法に関する勧告もなされましたので、とくにご紹介します。

自由権規約委員会は、
近年国会で採決された秘密保護法が、「秘密指定の対象となる情報について曖昧かつ広汎に規定されている点、指定について抽象的要件しか規定されていない点、およびジャーナリストや人権活動家の活動に対し萎縮効果をもたらしかねない重い刑罰が規定されている点について懸念する」と言及し、
日本政府に対して、「秘密保護法とその運用が、自由権規約19条に定められる厳格な基準と合致することを確保するため、必要なあらゆる措置を取るべきである」と勧告しました。
そして、とりわけ、
「(a)特定秘密に指定されうる情報のカテゴリーが狭く定義されていること、また、情報を収集し、受け取り、発信する権利に対する制約が、適法かつ必要最小限度であって、国家安全保障に対する明確かつ特定された脅威を予防するための必要性を備えたものであること」
「(b)何人も、国家安全保障を害することのない真の公益に関する情報を拡散させたことによって罰せられないこと」
を求めました。

勧告が公表されたのと同じ7月24日から秘密保護法の施行令(案)運用基準(案)政令(案)についてのパブコメが始まっていますが、下位法令や運用基準レベルでの小手先の対応ではなく、法そのものの廃止を含めた抜本的な見直しがなされなければ、国際社会の日本政府に対する言論弾圧の疑念は払拭できないでしょう。

パブコメをひとつでも多く政府にぶつけて、秘密保護法を施行延期さらには廃止に追い込みましょう。(浜島将周)

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