緑オリーブ法律事務所ブログ

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 いわゆる〝終活〟ブームで、自分の死後に、財産を誰にどれだけ残すかを、生前に自分の意思で示しておきたいと、遺言書を作成される方が増えています。
 遺言については、民法で方式や効力が厳密に定められています。(詳しくは、当ブログ2016年1月21日「自筆証書遺言と公正証書遺言」2016年1月22日「自筆証書遺言について補足」をご参照ください。)
 本文を手書きする自筆証書遺言は、本人の死後に家庭裁判所で内容を確認する「検認」手続が必要になります。2024年の検認件数は2万3436件だったそうです。
 他方、公証人が関わる公正証書遺言の作成件数は12万8387件だったそうです。公正証書遺言は2025年10月からオンラインで作成可能になっています。


 自筆証書遺言について、パソコン等のデジタル機器で作成できるよう民法改正が検討されていることを、当ブログで何度かご紹介してきました。(当ブログ2023年10月4日「遺言書が自分のパソコンで書けるようになるかも?」2024年2月14日「遺言デジタル化は進むか?」
 この度、遺言制度の見直しを議論する法制審議会部会が、パソコンやスマホで作る「デジタル遺言」を創設する要綱案を取りまとめました。(朝日新聞DIGITAL・1月20日読売新聞ONLINE・1月20日) 法務省は、この答申を受けて、衆院選後の国会に民法改正案を提出する方針のようです。


 要綱案によると「保管証書遺言」と呼ばれるデジタル遺言は、本人が生前に作成したデータかプリントアウトしたものを法務局に提出する。法務局職員による本人確認や、職員に対する全文の読み上げを経た上で保管する。本人の死後、事前に指定した対象者に通知があり、相続手続が始まる。というものです。
 本人と職員との遣り取りは、対面だけでなく、ウェブ会議の利用も可能のようですから、自宅にいながら手続を済ませられます。
 法務局を関与させることで、なりすまし等による偽物作成のリスクを回避します。
 また、法務局が関与するため、家裁での検認手続は不要とされています。


 第三の方法となるこのデジタル遺言=保管証書遺言の進展を見守りたいと思います。(浜島将周)



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