昨年10月27日に行われた衆議院総選挙に関する一人一票実現訴訟(いわゆる一票の格差訴訟)について、昨日、濵嶌も原告代理人を務めた名古屋高裁訴訟の判決がありました。(NHK NEWS WEB・2月19日、メ~テレ・2月19日、中日新聞WEB・2月19日、毎日新聞WEB・2月19日など)
名古屋高裁は、今回の総選挙から導入された「アダムズ方式」による新たな区割り制度について、「投票価値の平等を最も重要で基本的な基準としつつ、国会が正当に考慮できる他の要素も考慮して区割りを定める合理的な仕組みだ」と評価した上で、「選挙当日の最大格差は2倍を超えているものの、自然な人口異動以外の要因によって拡大したというべき事情はうかがわれないし、その程度も著しいものとはいえない」などとし、また、「2025年国勢調査を踏まえ2倍未満に是正されることが予定されている」などとして、「憲法が求める投票価値の平等に反するということはできない」と結論づけました。
しかし、ひとりひとりの有権者が持つ一票の価値が異なっていること自体、そもそもおかしいのではないか、一人一票等価値が大原則のはずです。2倍もの較差の存在が合理的であるとなぜいえるのでしょうか。
また、「アダムズ方式」の採用も、裁判所がいうほど評価できるものではありません(詳しくは、当ブログの当ブログの2022年11月19日「衆議院小選挙区「10増10減」の改正公職選挙法が成立…これで一人一票は実現されたか?」をご覧ください。)。
私たち弁護士グループは、全国の14高裁・高裁支部のすべてで提訴しています(もうひとつのグループも別に2高裁で提訴しています。)。
今回の名古屋高裁判決は、その14件(16件)の訴訟のうち7件目(9件目)の判決でした。残念ながら、合憲判断続きです。
私たちは、すべて上告し、最高裁で争います。(浜島将周)
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