緑オリーブ法律事務所ブログ

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3.フリーランス新法の①取引適正化に関する規定の概要


⑴ 取引条件の明示義務(法3条)
 業務委託事業者から特定受託事業者に対して業務委託をした場合には、特定受託事業者の給付内容、報酬の額等を書面または電磁的方法(メール等)により明示しなければなりません。
 電磁的方法による明示の場合に、特定受託事業者から書面で交付してほしいという求めがあった場合には、書面で交付しなければなりません。


[注意点]
・この義務が課される対象は、業務委託事業者なので、従業員を使用しない事業者も対象になります(つまり、フリーランスからフリーランスへの業務委託にも適用されます。)。
・契約期間の長短に関わらず、広く業務委託の場合に適用されます。
・電磁的方法による明示について、下請法の場合は下請事業者側の同意が必要とされていますが、フリーランス新法では受託者側の同意は必要とされていません。


⑵ 報酬支払期日、支払遅延の禁止(法4条)
 特定業務委託事業者が特定受託事業者に対して業務委託をした場合には、報酬の支払について、特定受託事業者の給付を受領した日から60日以内(かつ、できる限り短い期間)の報酬支払期日を設定し、同期間内に支払を行わなければなりません。
 再委託の場合には、発注元から支払を受ける期日から30日以内(かつ、できる限り短い期間)に報酬支払期日を設定、同期間内に支払を行わなければなりません。


[注意点]
・特定業務委託事業者からの発注に適用されます。
・契約期間の長短に関わらず適用されます。


⑶ 禁止行為(法5条)
 特定業務委託事業者から特定受託事業者に対して、1か月以上の業務委託をした場合に、下記の禁止行為(順守事項)が規定されています。
・特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに(つまり、フリーランスが悪くないのに)、発注した物品を受け取らない。
・特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、発注時に決めた報酬を後で減額する。
・特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、受領した物品を返品する。
・通常の対価に比べて著しく低い報酬の額を不当に定める。
・自己の指定する物の購入・役務の利用を強制する。
・自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させる。
・特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、内容を変更させ、または、やり直させる。


[注意点]
・対象が1か月(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令)以上の業務委託に限定されています。



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