緑オリーブ法律事務所ブログ

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 インターネット上に「無料」求人広告を掲載してもらったら、しばらくして、突然、業者から多額の掲載料金を請求された、というご相談を受けました。


 業者から、「当社の求人サイトに、貴社の求人広告を無料掲載しませんか?」という営業電話がかかってくる。
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 電話を受けた担当者が、「無料なら」と、申込書を提出する。
 実は、その申込書には、無料期間終了の●前までに解約の申入れをしなければ、自動更新したものとして、その後は有料プランに移行し、掲載料金が発生する旨の記載がある。
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 そうしたところ、期間経過後に、突然、自動更新しましたとして、多額の掲載料金の請求書が送られてくる。
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 担当者が慌てて解約を申し出ても、申込書に記載があったとして、請求され続ける。
というトラブルです。


 どうやらハローワークのインターネットサービスで求人情報を提供している事業主をねらって、勧誘されているようです。ハローワークでは数年前から、注意が呼びかけられています。→求人広告サイト等への掲載の勧誘にご注意ください。


 たしかに、今回のご相談でもそうでしたが、申込書には、解約申入れのないままの期間経過後の有料プランへの自動更新のことが記載されています。しっかり確認しなかったという担当者のミスは否定できません。
 しかし、電話での勧誘時には「無料」ばかりを強調し、有料プランへの自動更新のことなど一切触れず、申込書にも細かな文字で書かれているだけ、というのですから、業者が、担当者に思い込ませて申込みさせているのは間違いないでしょう。


 法律的にいえば、以下のような理由で、業者からの請求を断ることができそうです。


1.錯誤(民法95条)
 担当者は、業者からの電話勧誘で、「無料」だと誤解して、申し込みました。業者も、担当者がそのように誤解していると分かっていて、申し込ませているでしょう。求人広告にとって重要な料金に誤解=錯誤があったので、申込みを取り消すことができます。


2.詐欺(民法96条)
 業者が、担当者に「無料」だと誤解させることをねらって電話勧誘し、申し込ませたのであれば、まさに詐欺行為です。詐欺により申込みさせられたとして、申込みを取り消すことができます。


3.債務不履行
 求人広告という商品をめぐるトラブルだと考えた場合、今回のような業者の求人サイトは大抵、一応求人情報を掲載してはいますが、検索にひっかかりもしない、およそ求人獲得のできそうにないサイトであることが多いです。業者が求人獲得という目的のための役務提供をしていない=業者の債務不履行だとして、申込みを解除することができます。


 このように、業者からの請求を断ることができる場合があります。
 「無料」求人広告のトラブルにあったら、あきらめて業者からの請求に応じる前に、一度弁護士にご相談ください。(浜島将周)



― 緑オリーブ法律事務所は名古屋市緑区・天白区・豊明市・東郷町を中心にみなさまの身近なトラブル解決をサポートする弁護士の事務所です ―

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