昨年2022年12月に成立した親子法の一部を改正する改正民法のご紹介、連載2回目です(1回目から、ずいぶん間が空いてしまいました…)。
改正前民法822条では、親権を行う者は監護・教育に必要な範囲内で子を「懲戒(ちょうかい)」することができるとされていました。〝しつけ〟名目で、子を懲らしめ、戒めることができてしまうわけで、児童虐待が社会問題化し、児童虐待防止法改正により体罰禁止が明文化された際に(2019年6月改正、2020年4月施行)、懲戒権規定の見直しを図る旨の付帯決議がされていました。
改正法は、懲戒権を定める民法822条を削除しました。
そして、居所指定権を定める821条を822条としたうえで、新たに821条において、親権者の監護教育権の行使における行為規範を設けました。
親権を行う者は、監護・教育をするにあたって、
① 子の人格を尊重すること
② 子の年齢・発達の程度に配慮すること
③ 体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないこと
とされています(児童福祉法、児童虐待防止法においても同様に規定)。
なお、この懲戒権の見直しに関する規定は、改正民法公布日である2022年12月16日から、すでに施行されています。(浜島将周)
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