1966年にビートルズが来日した際の警備状況を記録した映像フィルムが警視庁に残っていると、2014年1月3日付の日本経済新聞が報道しました。これを受けて、NPO法人情報公開市民センターが警視庁に対し、上記フィルムを情報公開請求したところ、警視庁は、はじめ全面不開示(警備上の秘密とする。)、のちに一部不開示(ビートルズのメンバーの顔以外の顔(街頭のファン、警備関係者、スタッフなど)は個人情報とする。)と決定しました。全面開示を求めて、同センターが提訴し、最高裁まで争いましたが、敗訴しました(2018年10月25日確定)。それから4年の時を経て、モザイク処理が終わったとして、警視庁からようやくDVDとして一部開示されました。(東京新聞Web・9月22日、9月24日、朝日新聞DIGITAL・9月25日)
去る9月24日に鳥取県米子市で行われた第29回全国市民オンブズマン大会で映写され、その後、YouTubeで公開されています(【幻の動画】警視庁撮影 ビートルズ来日動画)。
なお、新海聡弁護士(情報公開市民センター理事長、全国市民オンブズマン連絡会議事務局長)による解説文はこちら。解説動画はこちら。
私自身はビートルズに関心はなく、開示された映像を見てもさしたる感慨もないのですが、見る人が見れば、とても貴重な映像なのだろうと思います。しかし、ビートルズのメンバー以外の顔はみなモザイク処理されていて、感想的に言えば、無粋です。法律的にも、50年も経った現時点でなお、一部不開⽰にする必要があったか疑問です。
新海弁護士曰く、「昭和の記録として、また、個⼈情報とは何だ、ということを考える資料として、ぜひご覧いただきたい。ビートルズファンと情報公開に関⼼のある皆様、必⾒と⾔ってしまおう。」だそうです。(浜島将周)
― 緑オリーブ法律事務所は名古屋市緑区・天白区・豊明市・東郷町を中心にみなさまの身近なトラブル解決をサポートする弁護士の事務所です ―