十代の女児に虐待行為をしたとして、男が児童福祉法違反の罪で起訴された刑事事件の公判において、女児が被害を証言するにあたり、裁判所が公判への付添犬の同伴を許可していたとの報道がありました。約1時間半の尋問の間、終始、付添犬は女児の足元にいたとのことです。(日経新聞WEB版・10月7日)
日本では、証人の精神的負担の軽減を目的としたセラピードッグの同伴許可は非常に珍しく、そもそも専門機関で訓練を受けて「付添犬」として認定を受けている犬は、国内に4頭しかいないとのことです。
他方、アメリカでは、「コートハウス・ファシリティ・ドッグ」と呼ばれているそうですが、2004年から導入され、2020年現在250頭以上が活躍中だそうです。(JAHA公益社団法人日本動物病院協会「付添犬(つきそいけん)について」より)
言うまでもなく、犯罪被害者には大きな心的トラウマがあります。にもかかわらず、裁判という特殊な場面、法廷という特殊な場所で、被害を思い出しながら証言しなけれならないというのは、大きなストレスとなり、二次被害にもなりかねません。
付添犬は、そのようなリスクの高い子どもら被害者の負担を少しでも減らすために、そばに寄り添うのが仕事です。
日本でも、もっと広く採用されるようになるといいですね。(浜島将周)