緑オリーブ法律事務所ブログ

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 昨日3月24日、2026年の完成を目指して建設工事が進められている豊川水系の設楽(したら)ダムの建設中止を求める設楽ダム訴訟(第二次訴訟)について、名古屋地方裁判所の判決がありました。(NHK名古屋・3月24日中日新聞Web・3月25日
 濵嶌も市民ら原告側の弁護団に加わっています。


 今回の第二次訴訟は、豊川流域(東三河地域)の水道用水の需要量について、計画段階では2015年に1日あたり33万㎥と想定されていましたが、実際には約2割も下回る27万㎥にとどまっているため、ダムなしでも水道用水は十分に足りており、建設の必要性はない、と訴えるものです。
 請求の趣旨は、
1 被告愛知県知事が設楽ダムの水道用水に係るダム使用権の設定申請の取下げをしないことが違法であることを確認する。
2 被告愛知県公営企業管理者企業庁長は、設楽ダム建設費用負担金のうちの水道用水に係る負担金の支出をしてはならない。
となっていました。


 判決は、1.については不適法であるとして却下し、2.については請求を棄却しました。


 原告らは、第一次訴訟の際にすでに、需要量想定が過大で、設楽ダム建設はムダな公共事業の典型だ、と訴えていました。果たせるかな、2015年の需要量想定が過大だったことがはっきりしました。人口減少社会を迎え、節水技術も進み、今後ますます水余りは進んでいきます。他方で、限られた予算の中で、老朽化した水道設備を更新していかなければなりません。また、ダム建設による自然破壊も無視できません。
 しかし、名古屋地裁は、「国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計において、今後、豊川用水地域の人口の減少が予想され、豊川用水地域の5つの市の水道事業経営戦略等でも水道用水需要の減少が予想されている」と認めながら、「水需要は、今後の商業施設やリゾート開発、産業用地の誘致要因でも変動し得、その予測には不確定要素が多く、また、水資源開発施設の整備には長い時間が必要となる」などとして、行政の裁量権の行使につき著しく合理姓を欠くとはいえない、としました。
 これほどまでに抽象的な、ごくわずかな可能性を掲げての想定で必要性が認められてしまうなら、どんな公共事業もムダだとは言われないでしょう。
 原告ら住民は控訴し、高裁の判断を仰ぎます。


 なお、今回の判決文も含め、設楽ダム訴訟にかかる資料は順次、「設楽ダムの建設中止を求める会」のウェブサイトにアップされていきます。関心のある方はお立ち寄りください。(浜島将周)




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