緑オリーブ法律事務所ブログ

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 ご紹介が遅くなりましたが、大きく報道された関西電力大飯原発設置許可取消訴訟の判決のご報告です。
 大阪地裁は4日、許可を違法として取り消しました。(NHK NEWS WEB関西・12月4日朝日新聞DIGITAL・12月4日日経新聞Web・12月4日など)
 福島第一原発事故をふまえ策定された新規制基準下での原発設置許可を取り消す初の司法判断です。


 本件は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町。現在は定期検査のため停止中。)の耐震性をめぐり、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、福井県の住民らが国に対し、原発設置許可の取消しを求めた訴訟です。
 最大の争点は、基準地震動(関電が算出した耐震設計の目安となる揺れ)の設定が安全性を担保する適切な値として定められているか、そして、国の規制機関である原子力規制委員会がその基準地震動を認めるにあたって適切な審査をしたか、でした。


 以下、大飯原子力発電所設置許可取消請求弁護団の弁護団声明からの転載です。


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 国が定めた「地震動審査ガイド」には、基準地震動を定めるにあたって、経験式から導かれる数値は「平均値としての地震規模を与えるものであることから、経験式が有するばらつきも考慮されている必要がある」と規定している。しかし、これまで、すべての原発についてこのばらつきは考慮されず、したがって、基準地震動は過小評価されて設定されていた。
 本判決は、この基準地震動を過小評価として、それを見過ごした設置許可処分を違法として取消を命じたものである。
 この問題は、すべての原発の基準地震動の設定に関係する重大な問題であるから、直ちに全原発について、基準地震動の策定をやり直し、もしくは、一刻も早く危険な原子力発電所を廃止すべきであることを強く訴えるものである。」


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 脱原発弁護団全国連絡会のサイトに、原告団声明、弁護団声明、判決文(本文、要旨、骨子)が掲載されています。ご参考になさってください。(浜島将周)

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