緑オリーブ法律事務所ブログ

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10月1日、標記のシンポジウムが行われました。
いわゆる共謀罪については、今国会での法案提出は見送られたとの報道がありましたが、それでもシンポには、100人を超える多数の参加者があり(しかも、弁護士会館という比較的不便な会場にもかかわらず)、この問題について強い関心をお持ちの方が多数いらっしゃることを、あらためて感じました。

内容としては、

渕野貴生さん(立命館大学大学院法務研究科教授)からは、刑事訴訟法、刑事弁護の観点から見た共謀罪法案の問題点を具体的に解説いただきました。
法案名が「テロ等組織犯罪準備罪」と変わり、多少の要件が付加されようが、その本質は変わらない、捜査機関側としてはいかようにも使える、したがって反対に、弁護側には防御の困難な、市民活動の萎縮につながる、危険な法律であることが理解できました。
また、近年は「テロ対策」を理由として共謀罪創設の必要性が言われるが、これにはすでに爆発物取締法などの対策ができていることも指摘されました。

原田宏二さん(北海道警元警視長)からは、警察の実態から共謀罪法案に隠された警察のねらいをお話しいただきました。
警察が自らの捜査能力の低下を補うために、全国に監視カメラ網を張り巡らし、GPSを密かに取り付けたりもし、通信傍受をよりしやすいように法律を改正させ…そういった流れの中での共謀罪創設であることを指摘されました。そのお話は、自らの経験に基づく生々しいものでした。すでに司法警察と行政警察の境が不明確になってきている中で、共謀罪が創設されれば、今以上に警察がやりたいようになんでもやれてしまう時代になってしまうのです。

非常に分かり易く、充実したシンポでした。

自由な社会をまもるために、日弁連、愛知県弁護士会は、今後も共謀罪の創設に反対していきます。(浜島将周)

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