緑オリーブ法律事務所ブログ

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先日、数年来関わっている女の子を車に乗せて移動していました。
彼女が経験してきた現実を小説に書いたら「盛りだくさんすぎる」と批判を受けそうな、そんなつらい経験をたくさんしてきた子です。
彼女だけでなく、これまで会った子、ずっと関わってきている子の中には、「普通」に暮らしている私たちが想像を絶するような経験をしながら、なんとか生き抜いている子たちがいます。

 

どうやって耐えてきたのだろうと思うような生活をしてきた彼女ですが、これまでは、どんなつらい時に会ってもいつもニコニコ笑っていました。

 

しかし、その日は、車で少し遠くに行ったからか、話をしているうちに「泣きたくなってきた」と助手席で泣き始めました。

彼女が泣いている姿を隣で感じながら、これまでも車の中で初めて泣いたり本音を話してくれる子がいたな、と思い出していました。

車というお互い顔を見ない閉鎖された空間というのが良いのかもしれません。

 

そんなとき、いつも感じるのは、私は無力だということです。弁護士の肩書きなんて、何の役にも立ちません。
圧倒されるような彼女たちの現実の前に、ただ、横にいて、幸せを祈ることしかできません。

 

「あなたには幸せになって欲しいと心から祈ってる」
「何もできないけど、いつでも応援している」

 

この日もそう伝えました。
いつか、彼女が幸せを感じる日がくることを信じて、また会いに行きます。
(間宮 静香)

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