緑オリーブ法律事務所ブログ

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民事裁判の公開とその制限
2014-06-15 · by blogid · in 民事事件,
誰でも裁判所に行けば、特別な手続をすることなく裁判を見ることができるってご存じですか?

裁判の公開は、憲法82条で定められています。公開にすることで、適正な手続で裁判が行われるようにするためです。密室で裁かれたりするのは、とても怖いことですね。

 

ただし、裁判の公開の例外も認められています。

例えば、性犯罪事件の被害者保護のため、被害者名を匿名にしたり、起訴状で朗読しない等の対応が刑事事件ではとられています。

他方、意外と知られていないのは、民事事件の公開とその制限についてです。
実は、民事裁判で提出された書面というのは、一定の手続を行えば、誰でも見ることが可能です(民事訴訟法91条)。

しかし、どうしても知られたくない秘密が書面に記載されている場合もあります。そのような時に利用する制度が閲覧制限です。
重大な秘密が記載され、かつ、第三者がその部分を読むことによって、その当事者が社会生活を営むのに支障を生じる著しいおそれがある場合等に、当事者が閲覧制限の申立をし、裁判所が必要性を認めると、書面を無関係の第三者に見られることはなくなります(民事訴訟法92条)。

また、そのほかにも、尋問の際、傍聴人や事件の相手に顔を見られないように、パーティション等で仕切りをする遮へい措置というものもあります(民事訴訟法203条の3)。

遮へい措置のことは知っていても、閲覧制限のことは頭にない弁護士もいますので、重大な秘密に関する事件の場合は、弁護士に閲覧制限ができるか相談するとよいかもしれませんね。(間宮静香)

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