緑オリーブ法律事務所ブログ

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個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が施行されてずいぶん経過しましたが、未だに混乱があって、萎縮効果が働いて、普段の生活でも「?」という場面に出くわします。

例えば、個人情報保護法施行直後によく話題になりましたが、個人情報保護法を理由に、学校や幼稚園・保育園で行事のスナップ写真の張り出しがなくなったとか、保護者から文句が出たとか。今でもあるようです。
個人情報保護法で第三者への提供が制限されているのは、「個人データ」です。コンピュータで管理されてデータベース化された個人情報や、紙媒体でも50音順に並べるなどして検索できるようにした個人情報のことをいいます。
スナップ写真は普通、検索可能な状態にはなっていませんから、「個人データ」にはあたりません。したがって、個人情報保護法に違反するから、教室での張り出しができない、ということにはならないはずです。

もっとも、プライバシーの問題は別です。個人のプライバシー意識が高くなっていますから、保護者から、自分の子どもの姿を他の親に見られるのは嫌だ、という意見が多く上がれば、学校側も配慮せざるをえないでしょう。
ただ、同じ学校に通う子どもの親であっても見られるのは嫌だ、というのは、ちょっと息苦しい気がします・・・。(離婚トラブルやストーカー被害などで見られたくないといった事情がある場合は別です。)(浜島将周)

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